ミクロマップにおける戦略データベースの重要性

先日、特許情報解析に基づいて事業戦略を強化したいという理由で、或るお客様からコンサルの依頼を受けました。競合メーカーを中心に業界の動向を丸裸にするのが目的でミクロマップ作成と解析を行いました。

ミクロマップは、技術分類をどのように設定するかがポイントで、技術が良くわからないで単に時系列に並べる、あるいは特許分類記号に基づいた安易な作成をすると、各社のポイントが全く見えてきません。

お客様の話では、以前、大手の調査会社に相当高いお金を払ってミクロマップ作成の依頼をしたことがあったそうですが、結果何も見えなかったそうです。

実は何も見えなかったのではなく、見えるように作れなかったのだと思っています。

ミクロマップをポイントが見えるように仕上げるには、技術が分かっていることは勿論なのですが、何処にポイントを絞り、分類分けするかのセンス(経験で磨かれるものでもありますが)が求められます。

そして、その前提条件はしっかりとした戦略データベースの作成です。

これを怠ると、いつの間にかマクロマップの作り方と同様になっており、俯瞰的にしか見えないものとなってしまいます。

実は、私はこのデータベースの作成に全体の80~90%を費やします。非常に骨の折れる作業なのですが、作り上げていく過程で傾向が見えてきます。すると、データベースを作りながらマップのイメージが出来上がります。結果として、オリジナルのデータベースは人に自慢できるくらいの出来栄えに仕上がっています。

特許明細書をそれほど読みこまずに合理的にさっさと作り上げることは誰しもが望むところですが、一見非合理的でアナログなやり方にもメリットは多く、私は敢えてこの方法を使っています。ただし、作り上げた後に最も勉強になっているのは、作った私自身なのです。すなわち、作り上げたミクロマップから、その業界や技術分野において一家言を持つことが出来るのです。

今回のお客様からの依頼は、さらに知財戦略へと続く話であるため、更にマップに手を入れていく作業が次のステップにあります。

私のセミナーでもこれまで100名以上の方が受講され、ミクロマップの作り方に関して、多くの方に興味を持ってもらいました。そして、受講された皆様からチャレンジしてみたいという声を多くいただいております。

全ての方が、はじめから納得いくミクロマップ作成をすることは難しいかもしれませんが、1回限りのチャレンジで終わることなく継続して行うことが肝要です。

私は、セミナーの受講経験者には、何時でも支援の手を差し伸べるようにしていますので、1年前に受講された方でも遠慮せずにメール等で疑問点をお知らせいただけたらお応えいたします。

勿論、作って見せて欲しいという要望にもお応えしますので、ご連絡をお待ち申し上げております。

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