知財教育の必要性
わたくしは知財教育は、規模の大小を問わずあらゆる会社で行うべきと考えています。
これまでいくつかの事業部を対象に事業戦略を強化するための知財戦略に携わってきましたが、そのプログラムの中にわたくしは必ず知財教育を組み込んできました。
理由は単純で、主役になる技術や営業に属する社員の知財意識が低ければ、知財戦略は実行に移されず絵に描いた餅にしかならないからです。
ただし、教育はあくまで意識改革がメインであり、資格取得を目的とした知識偏重のものであってはならないと考えています。
ところで、知財教育は何時から始めるべきかについてですが、(最近では大学の講義にもあるようですので、遅くとも)新入社員の段階で始めるべきではないかと思います。知財教育を習慣化してきた部署は、どの世代でも事業活動の中に自然に知財に関する考えも加味できています。
逆に知財教育にほとんど触れず、ある程度の年齢に達してしまうと、危険な行為に盲進してしまう危険性が出てきますし、折角の事業活動も知財により強化されるチャンスを逸してしまっています。
また、プログラム内容については、職位や経験年数に応じて各フェーズでの目標をしっかりと設定し、PDCAが回るよう受講した方々のアフターフォローは必須と考えています。そして、各フェーズでの内容も連関したステップアップ教育になっていることも必要です。
最後に教育は愛情であると聞いたことがあります。知財教育も同じと思います。優れたプログラムに則った教育に加え、受講されるひとりひとりに愛情をもって接していくことが、最も効果的に意識改革を促進するものと考えています。
上述した知財教育を通じて、各事業部に携わる社員ひとりひとりが経営に資する事業活動の戦力になっていくことを願っています。