幕張メッセInterop Tokyoのイベントに参加して
6/12~14にかけて、幕張メッセにてInterop Tokyoのイベントが開催されています。デジタル社会の最新情報が得られること、また事務所から至近ということもあり初日のみ参加してきました。各講演のキーワードは、お決まりのAI、IT、自動運転、Networkアーキテクチャー、クラウド、セキュリティーなどです。
その中で、内閣府の関係者が発表していた準天頂衛星測位システム「みちびき」を使ったドローンの実験の講演が面白く、かつヒット商品を改めて考えるきっかけになりましたのでご紹介します。
衛星測位システムとは、衛星からの電波によって位置情報を計算するシステムのことで、米国のGPSがよく知られていますが、「みちびき」はいわゆる日本版GPSです。
また、準天頂衛星とは、準天頂軌道衛星と静止軌道衛星の両方を指す言葉だそうです。
現在、地球上には4機の準天頂衛星(3機の準天頂軌道衛星と1機の静止軌道の衛星)が回っており、2023年には増設し7機体制にして、より位置情報の精度を上げる計画があるそうです。
目的としては、米国国防省が運用しているGPSの補完・補強サービスで、GPSの測位誤差をより少なくすることです。
この「みちびき」の測位システムを使った実用化実験としてドローンの運搬サービスの映像の紹介がありました。GPSのみでドローンを目的地まで飛ばすと、100センチ以上の誤差を生じてしまいますが、GPSに加え「みちびき」の測位システムを使った場合、わずか数センチの誤差で目的地に着陸(ピンポイント着陸)できるのだそうです。
その他の取り組みとして、農業分野による農業機械の自動運転(センチメートル単位の誤差でトラクターなどを動かす)、自動車の自動運転、道路の管理(路面状況を運転手に知らせる)など様々な分野にわたって国が支援をしています。
さて、前述のドローンの実験を見て思ったのは、内閣府がドローンを積極的に取り上げるほど国家戦略として重要な技術に成長したということでした。
そもそも、ラジコンヘリコプターの延長でしかないと思っていた技術でしたが、カメラ付き携帯端末を装着できるだけで、これまで得られなかった「感動的な映像」が取れるなど、その付加価値が格段に上がり、応用の範囲が一気に広がりました (ただし、そこにはSNSの普及による社会背景がありますが) 。世界的に見ても、今や未来の社会を支える技術になりつつあるほどの成長ぶりです。
2017年度の日本国内のドローンビジネスの市場規模は503億円と推測され、2024年度には3,711億円(2017年度の約7倍)に達すると見込まれているそうです(出典:ドローンビジネス調査報告書2018)。
そういえば、「組み合わせる」ことで完成した発明で、大ヒットした商品になったものは従来からかなりありました。
発明はそもそも或る課題を解決するためになされるものですが、その中でもヒット商品は機能的、便利さらに安価などの要素だけでない付加的要素が隠れている気がします。
それは、 (時代背景も大きく影響するのでしょうが、)ドローンの例のように「感動や嬉しさ」なのかもしれません。