調査に投資する、持続的成長し続ける企業

最近、お陰様で技術調査依頼に対する業務が増え、調査業務を通じて色々と勉強をする機会に恵まれています。以前、このホームページでも調査の重要性と調査会社の第一線で活躍されているプロの考えをご紹介させていただきました。 

改めて同じことを論ずるまでもないのですが、業界で次々と新しい事業の芽を出して成長し続けている企業には、調査の依頼方法に関して、いくつかの共通点があることが分かります。今回は特に以下の3つの観点からご紹介したいと思います。

1つ目は調査する範囲、2つ目は調査する情報源、そして3つ目は調査の継続性です。1つ目の調査する範囲は以前紹介させていただきました。2つ目の調査の情報源と3つ目の調査の継続性は、最近の調査業務を通じて改めて確信することとなりました。

①調査の範囲

 新規事業創出に成功している企業の多くは、調査範囲が広く、本来の調査の狙いを城に例えるならば、本丸に囚われず、内堀や外堀、そして場合によってはその隣の領域にまで調査の対象を要求してきます。勿論、時間と金は掛かるのですが、躊躇なく情報収集を依頼してきます。

結果的に、本丸をあらゆる角度と距離から捉えることができ、周辺のエビデンスを基にした確立確度の高い大きなストーリーを作ることができるようになります。

②調査する情報源

 調査する情報源は大きく分けると2つあり、ネットや文献等から得られる公知情報、そして人から得られる非公知情報です。

ネットや文献等から得られる公知情報は、時間と金さえ使えば何とか搔き集めることはできるのですが、人から得られる非公知情報は収集が困難であるだけでなく、その価値は極めて大きいものです。その世界で実際に業務に携わったことのある人の経験談(もちろん違法なインサイダー情報でないものに限る)は、ネットを何日掘り起こしても辿り着けない貴重なものです。ある意味、こうした情報を取れるネットワークを持っているかどうかが調査会社の差別化要因にもなるのだと思います。

しかしながら、将来の新しい事業の芽を見つけるには、人から得られる非公知情報だけで良いのかというと、そうではありません。広い公知情報が乏しいと深い非公知情報が生きてこないのです。その逆も然りだと思います。両者はいわゆる表と裏の関係のようなものと感じています。表から見た世界だけでなく、裏から見た世界も知っておくことで、世界全体を把握できるのではと思います。

情報の取得と活用は公知情報と非公知情報の両方を意識して捉えることが大切と思います。

③調査の継続性

 成長し続けている企業の多くは、調査を継続依頼する割合が高いと感じています。新しいことが分かれば次の疑問が湧くのは当然なのですが、留まることを知らずに次のステップを模索しているようです。

 捉えようとする各業界の課題は、時間とともに変化し続けており、それを先取りするには継続的調査の姿勢が重要になってきます。分かっていても実行できない場合が多く、こうした調査の習慣、むしろ業務活動の一環となっている会社は他社に先んじたスピードと強さを発揮できる体制が出来ているのだと思います。

情報は企業が成長するための力であり、情報の継続的取得は企業の持続的成長の源なのです。

そして、企業が情報収集のための調査にどれだけ投資しているかは、その会社の将来性を図る指標ではないかと考えるのです。

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