異分野の研究から得られる共通した目的

コロナウィルス感染の問題が大きくなり始めた頃、少人数の開催ということで、ソーシャルメディアデータの解析を専門にされている先生の講演会を聞く機会がありました。

学会ウェブサイトのアクセスログ分析やTwitterにおけるバーストの実態調査、さらには科研費取得者とその研究業績調査など様々な分野の解析をされている方で、わかり易い講演をしていただきました。

 大地震などの震災によるバースト(Twitter数が爆発的に増える)の生起には、「都心からの距離」と「震度」が影響しているとそうです。

また、内外の大都市や行楽施設内において、ネガティブな感情によるバーストがポジティブな感情によるバーストよりも回数は多いが、バーストした際にツイート数が大きくなるのはポジティブな感情によるバーストなどのような事例も披露いただきました。

特に東京ディズニーランド内ではポジティブなTweetが多く、ニューヨークなどはネガティブなTweetが多いらしく、その結果に納得しつつも、実際のデータに基づく説得力のある結果と感銘しました。

さて、社会の実態を明らかにしたい研究者にとって、ソーシャルメディアは宝の山だそうです。なかでもTwitterは公開されているデータが多く、データを集めやすいと言います。

 データ収集には、手で集める方法、機械的に集める方法そして金を払って買う方法があります。願わくは金を払わずデータを集められれば良いのですが、より質の高い情報を得るためには多少の出費は致し方ないようです。

 また、解析ソフトの紹介では、無料のテキストマイニングソフト(KH Coder)を紹介いただき、早速ダウンロード(https://khcoder.net/dl3.html)してみました。ご興味ある方はぜひ、ダウンロードして使用されることを勧めます。

特に、KH Coderでは共起ネットワークの図を書く機能も持っているため、使用するデータや目的に応じて結果を見える化できそうです。

 こうした研究をされている先生のもう一つの目的は、「未来の予測」ということでした。社会の声や動きから未来を読むことは、社会の方向性を読む重要な手がかりになるわけですが、特許情報を使って「未来を読もう」としている私にとって共通の目的であり、大きな刺激となっています。

 講演会の最後に、「ソーシャルメディアデータの解析の限界は何か」と質問をさせていただきました。「データは大局的なものでしかなく、詳細は個人のアンケートを取らないとわからない」という回答でした。

 今回は、異分野で活躍されている先生のお話でしたが、応用できそうな考え方が多く、講演後に頭がかなりリフレッシュされました。「社会科学ではとにかく比較しましょう」という言葉も印象に残っています。

 折角ご教示いただいた研究内容を参考にさせていただき、新規で有用な解析手法に結び付けられればと考えております。

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